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新宿人御用達 名店・名品

〔上落合〕とんかつ高橋

ハンバーグやオムライスも絶品。知る人ぞ知るとんかつ屋さん

2013/11/08

住宅街にひっそりと佇むお店には、仕事帰りの常連さんが集う

以前は賑やかだったという通りも、今では閑静な住宅街
以前は賑やかだったという通りも、今では閑静な住宅街
かつてはオフィスや工場が多く、活気のあるエリアだった落合ですが、工場や社屋の郊外移転などに伴なって、昼間人口がめっきり減ってしまいました。その影響で飲食店や商店などが閉店し、今では商店街というよりも、住宅街と呼ぶ方がふさわしい街並みとなっています。

その住宅街の小路に、ひっそりとのれんを出すのが「とんかつ高橋」さん。お店を知らないと、お店のあるこの小路へは足を踏み入れないかもしれないと思わせる立地。しかし、なぜかお客様がお客様を連れて、いつの間にか常連になってしまうという「とんかつ高橋」さん。その魅力をご主人の高橋修一さんにお伺いしました。
「とんかつ高橋」さんの2階には、25人程で宴会もできるお座敷がある
「とんかつ高橋」さんの2階には、25人程で宴会もできるお座敷がある
「この店を始めたのは27歳の時だったかな。サラリーマンを辞めて、好きなとんかつで商売しよう」「とんかつなら和食ほど修行を積まなくてもできるかと思って」と、控え目にお話しを始めたご主人ですが、3軒ものとんかつ屋で修行をした後、魚屋を経営していた父親が倉庫として使っていたこの地に店を開きました。
開店から39年経った今でも、「せっかくいらしてくださったお客様に、美味しいものを食べてもらいたい」と、熱心な“美味しさの追究”が続いています。
とんかつ高橋
■住所:東京都新宿区上落合2-6-3
■アクセス:西武新宿線中井駅・下落合駅より徒歩5分、東京メトロ東西線落合駅より徒歩5分
■TEL:03-3368-7846
■営業時間:11:30~14:00、17:00~翌1:00
■定休日:木曜、第3水曜

とんかつはもちろん、洋食も定番の人気メニュー

肉は国産、主に茨城産の豚肉を使用し、ラードは使用せずサラダオイルでカラリと揚げる。フライヤーは使わずに、注文を受けてから鍋の油を温めて、1枚1枚揚げるのが、「とんかつ高橋」さんの譲れないこだわりです。
「国産肉は値が張るけど、美味しいほうがいいでしょう。せっかく食べにいらしてくださるんだから」と、屈託の無い笑顔で話してくださいます。
お店の看板メニュー「とんかつ定食」
お店の看板メニュー「とんかつ定食」
カラリと揚げた「カキフライ」は人気のポテトサラダ添え
カラリと揚げた「カキフライ」は人気のポテトサラダ添え
自家製デミグラスソースとふんわり玉子の「特製オムライス」
自家製デミグラスソースとふんわり玉子の「特製オムライス」
仕入れがなかったものや完売した“お品書き”は、裏返しになっている
仕入れがなかったものや完売した“お品書き”は、裏返しになっている
とんかつはもちろん、それに負けないほどの人気だという「特製オムライス」や「ハンバーグ」について伺うと、「デミグラスソースもうちで作っていますから」とのこと。
数週間かけて煮込むこだわりのソースに魅了された常連さんも少なくないようです。ポテトサラダやマカロニサラダなども、もちろん自家製。

その他にも、美味しい麺が手に入った時は、とんこつを仕入れてスープを仕込みラーメンを提供するなど、裏メニューが常連さんの楽しみのひとつとなっています。
「買ってきたものを出すだけじゃ、つまらないでしょ。こだわらないとおもしろくないんですよ」と、おっしゃるご主人は、休日にはよその店へ食べに行き、美味しいものを見つけると、その後新作メニューのための研究を欠かさない、熱心な料理人です。

「お客様に『美味しかった』と言われるのが一番嬉しいです。自分も美味しいものを食べると、幸せな気分になれますから

常連客が集い、盛り上がる夜は、居酒屋タイム

カウンターと小上がりに、テーブル席のある店内は、車椅子での利用も考慮した配置になっている
カウンターと小上がりに、テーブル席のある店内は、車椅子での利用も考慮した配置になっている
夜の営業時間を延長してからは、仕事帰りに飲みながら食事をするお客様が多くなりました。「とんかつだけじゃ飽きちゃうでしょ」というご主人の配慮から、居酒屋メニューが増えています。

以前、父親が魚屋を経営していたこともあり、若い頃から河岸へも出入りしていたご主人は、今でも「とんかつ高橋です」と言いながら、マグロを買い付けることもしばしば。ただし、常備メニューではないので、美味しいマグロを食べたい常連さんは、何日か前に「いついつ行くから、マグロ仕入れておいて」と注文するそうです。
カウンター席の目の前には、ご主人おすすめの焼酎や日本酒が並んでいる
カウンター席の目の前には、ご主人おすすめの焼酎や日本酒が並んでいる
また、お酒好きのご主人は、出かけた先でちょっと変わった日本酒や焼酎を見つけると必ず飲んでみることにしています。そして、納得の行く味ならばすぐに仕入れて、お酒好きの常連さんに「美味しいお酒が入りましたよ」と、すすめます。

「何と言っても『美味しい』と、喜んでいただくことが嬉しいんです」
終始朗らかな、店主 高橋修一さんと奥様の信子さんが迎えてくれる
終始朗らかな、店主 高橋修一さんと奥様の信子さんが迎えてくれる
閉店時間は深夜1時ですが、お客様がいらっしゃる時は、2時、3時まで営業をしています。
「住宅街で、夜中まで盛り上がっている店があるって、興味本位で覗いてくれるお客様もいます」
そしていつの間にか、そのお料理とご主人の笑顔に惹かれて常連になってしまうようです。

「お客様に『なんで美味しいの?』って聞かれると、『愛情が入ってますから』って答えてます」と少々照れながらも笑顔で、お話ししてくださるご主人。

「お客様に、美味しいものを食べていただきたい。安くて、美味しいものを……」と取材中に何度もおっしゃるのが印象的でした。

1度目は、とんかつをいただきに、次は洋食メニューを……、と何度か通って、とっておきの裏メニューに出会えるのを楽しみにしたい「とんかつ高橋」さん。朗らかな笑顔のご主人が作る“愛情メニュー”をいただきに、足を運んでみてはいかがでしょう。
※取材時の情報です。変更となっている場合もございます、ご了承ください。